私の師匠は沖田総司です【下】


平助君よりも羽織を血に染めた組長が私のところにやってくる。

足がもつれ、倒れそうなところを組長に抱き留められた。

「どうしてこんな身体で来るのさ!自分がどれだけ危ないことしてるのかわかってる!?」

「ご、ごめんなさい!でも、どうしても確かめたいことがあったんです」

「確かめたいこと?」

組長が訝しげな目で私を見る。

「体調はどうですか?気持ち悪くなったり、咳がでたりしてませんか?」

手を組長の首に当てて熱を測るけど、熱はなさそうだ。顔色も悪くない。

「体調なら大丈夫。むしろ、いつもより絶好調。あの不思議な味がする水のおかげかな」

「よかった……」

本当によかった。組長は労咳になっていない。

ずっと張り詰めていた心と身体が緩む気がした。

これで

「私の役目も終わりだ」

……そう呟いた時、私の手が一瞬透けた。