書き終えた手紙を引き出しに入れる。
ユラユラと揺れる行灯の光を眺めていると、外から山崎さんの声がした。
「身体は大丈夫か?」
部屋に入ってきた山崎さんは忍者のような格好をしていました。
池田屋事件がもうすぐ始まる。そんな予感がひしひしと伝わってくるようです。
「はい。身体は大丈夫です。あの、山崎さん、組長はちゃんと飲んでくれましたか?」
実は少し前、山崎さんにあるレシピを渡していました。
それは塩と砂糖と水で作る経口補水液のレシピです。
こんな暑い中、室内で戦闘となると熱中症になってしまう人がいるかもしれない。
そうならないように作ってもらったのが経口補水液です。
本当はスポーツドリンクを飲ませてあげたかったのですが、この時代にはそんなものありませんからね。
変わりに経口補水液を山崎さんに作ってもらって、皆さんに呑んでいただこうと思いました。


