私の師匠は沖田総司です【下】



書き終えた手紙を引き出しに入れる。

ユラユラと揺れる行灯の光を眺めていると、外から山崎さんの声がした。

「身体は大丈夫か?」

部屋に入ってきた山崎さんは忍者のような格好をしていました。

池田屋事件がもうすぐ始まる。そんな予感がひしひしと伝わってくるようです。

「はい。身体は大丈夫です。あの、山崎さん、組長はちゃんと飲んでくれましたか?」

実は少し前、山崎さんにあるレシピを渡していました。

それは塩と砂糖と水で作る経口補水液のレシピです。

こんな暑い中、室内で戦闘となると熱中症になってしまう人がいるかもしれない。

そうならないように作ってもらったのが経口補水液です。

本当はスポーツドリンクを飲ませてあげたかったのですが、この時代にはそんなものありませんからね。

変わりに経口補水液を山崎さんに作ってもらって、皆さんに呑んでいただこうと思いました。