私の師匠は沖田総司です【下】


「ふぅ……」

一つ息を吐いて手に戸を掛け、扉を開けようと力を込めたときだった。

「さっきから何してんだおまえら」

同時に土方さんが扉を開けました。

そして、空いた蔵の奥から血の臭いがする。

土方さんの脇から中を覗き込むと、人が逆さに吊るされている光景があった。

あまりにも残酷な光景に冷や汗が流れる。

「……土方さん、古高さんは自白しましたか?」

「何でおまえがそんなこと……平助」

蔵から出て来たときから、鋭かった土方さんの双眼がさらに鋭くなり、後ろにいた平助君に注がれる。

「平助君は私に何も話していませんよ。それよりも、どうですか?」

「……全くだ。悲鳴をあげるだけで何も話さない」

「そうですか……」

ほっとしたような安心感が胸に広がる。

そして同時に、この苦しみから1秒でも早く彼を助けてあげたいと思った。