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「……なぜ ?」
次の日、天宮さんの様子を見に来た僕。
天宮さんの部屋の襖に張っている張り紙を見た瞬間、その場に凍りついた。
「え~、なになに?『沖田総司組長、部屋に立ち入るべからず。入れば私の作るみたらし団子なし』……ぶっ、はっはっは!明らかに総司だけ閉め出しくらってますぜ!」
背後で咳き込むほど笑う平助の笑い声を聞きながら、何度も貼り紙を確認する。
けど、いくら確認しても内容は同じで、僕は寂しい気持ちになった。
この寂しさは友達から仲間外れにされたときと同じ気持ち。
肺が潰れたように胸が痛む。
「天宮さん。どうして僕だけ部屋に入ったらダメなの?」
閉じられた襖から、部屋の中にいる天宮さんに問いかける。
けど、部屋の奥から聞こえるのは「ごめんなさい」と言う謝罪の言葉だけだった。


