「平助、斎藤、天宮はしばらく寝るんだと。だから見舞いは後にしてやってくれ」
「わかりました」
「蒼蝶、ゆっくり休みなせェよ」
斎藤さんと平助君がヒョコッと部屋に顔を出したので、私は軽く頭を下げました。
「行くぞ、総司」
そして土方さんはボール組長の襟を掴むと、ズルズルと引っ張って行く。
急に静かになった部屋。
しばらく寝ようと思いましたが、その前にやることができました。
「よいしょっと」
布団から出ると、引き出しから筆と紙を取り出す。
そして、硯に少量の水を差し、長方形の墨を手に取ると、ゆっくりと墨をすった。


