「……あの、土方さん」

「あ、なんだ?何か欲しい物でもあるのか?」

「いえ、そういうわけでは……。ただ、部屋を出るときに組長を一緒に連れて行ってほしいんです」

土方さんの背後にある入り口には恨めしそうな目をしている組長の姿。

土方さんが部屋に来た時からというもの、ずっと扉に張り付いてます。

組長が私の部屋に入ってこない理由。それは、部屋の外にある張り紙です。

その紙には『組長、部屋に立ち入るべからず。一歩でも入れば私のみたらし団子は無し』と私の字で書いてあります。

私が労咳となってしまった今、組長と頻繁に接触してしまえば、組長が労咳になってしまうかもしれない。

組長を労咳にさせないために未来から来たのに、私のせいで労咳となってしまったら本末転倒もいいところ。

そんな危険を防ぐために張り紙をしているのです。