『蒼蝶。ほら、好きなところに打ち込んでおいで』
「はい!」
5・6歳ぐらいの私に向かって、誰かが言った。
多分これは昔の夢だ。だから、小さい頃の私がいる。
小さい私の前には誰かがいるけど、その人は霧がかかったようになっていて、誰かはわからない。
でも、その声に懐かしさを感じる。
「やぁぁぁぁぁぁ!……わっ!」
竹刀をもった私がその人に向かって走る。
でも、竹刀が重く、走る途中にバランスを崩した私は前から地面にこけた。
「ふぇ、えぇぇぇぇ……」
『大丈夫!?あ~あ~。鼻の頭すりむいてる』
地面に倒れながら泣きじゃくる私を、誰かは優しく立たせてくれる。
そして服についた砂とかをパンパン手で払いながら、他にも怪我がないか見ていった。


