私の師匠は沖田総司です【下】


「ほら」

龍馬さんは私の手を取ると、その上に懐中時計を置きました。

手に懐中時計の重みを感じながら、意味がわからなくて首を傾げてしまいます。

「おまえが持ってろ。秒針の音を聞くと安心するらしいから」

そう言って、龍馬さんは私の頭をワシャワシャと撫でました。

ためしに懐中時計を蓋を開けて音を聞いてみる。

……龍馬さんの言う通り、確かに落ち着きますね。

「体調はどうだ?」

「大丈夫です。まだまだ元気ですよ」

「だったら団子でも買って川原でのんびりするか」

「いいですね」