「ほら」 龍馬さんは私の手を取ると、その上に懐中時計を置きました。 手に懐中時計の重みを感じながら、意味がわからなくて首を傾げてしまいます。 「おまえが持ってろ。秒針の音を聞くと安心するらしいから」 そう言って、龍馬さんは私の頭をワシャワシャと撫でました。 ためしに懐中時計を蓋を開けて音を聞いてみる。 ……龍馬さんの言う通り、確かに落ち着きますね。 「体調はどうだ?」 「大丈夫です。まだまだ元気ですよ」 「だったら団子でも買って川原でのんびりするか」 「いいですね」