下の方でガラッと戸が開く音がした。

私は布団から飛び出ると白い寝間着の上から上着を羽織る。

そして部屋から出ると階段を下りて玄関へと向かった。

「龍馬さん、お帰りなさ……、うみゅ~~~!」

玄関まで仕事から帰ってきた龍馬さんををお出迎えしたのですが、喜ばれるどころか逆に片方の頬を摘ままれて引っ張られてしまう。

「ただいま、蒼蝶。あんま部屋から出るなって、俺言わなかったっけ?」

「おへんなひゃい~。へも、おへむはえひひゃかったんれす~~」

頬をびよーんと引っ張られているせいで言葉がおかしくなってしまいます。

でも、熱意は伝わったのか龍馬さんは頬から手を離してくれました。

その表情はどこかやれやれと言っているようです。

摘ままれて赤くなった頬を撫でながらシュンと落ち込んでいると、身体がフワリと浮き上がった。

「とりあえず部屋に強制連行だな」

龍馬さんにお姫様抱っこをされて、言葉通り部屋に強制連行されてしまいました。