私の師匠は沖田総司です【下】


***

目を開けて最初に見えたのは闇だった。

どこまでも果てのない闇が続いている。

目を開けている筈なのに、真っ暗で何も見えない。

「ここは……どこ?」

そう呟いたとき

『蒼蝶』

と、名前を呼ばれた。

そして、背後から抱きしめられた。

「師匠ですか……?」

『うん』

ゆっくりと顔を後ろに向けると、本当に師匠がいて、私を抱きしめていた。

周りは真っ暗だけど師匠の姿だけはハッキリ見えた。

だからこそ、私は心から安心して大粒の涙がポロポロと溢れた。

「し、師匠~~……。わぁぁぁぁぁ……」

師匠の胸に泣きつくと、強く抱きしめてくれた。

『辛い思いをさせてごめん……。ごめんね、蒼蝶。僕を許して……』

私を抱きしめながら師匠は何度も謝った。謝る声は掠れていて、師匠も泣いていた。