となると、今度は被害者の隊士が怪しくなってくる。
被害者の隊士が天宮に何かしら手に掛けようとして、そこに蒼夜叉が出てきて返り討ちにあった。
これが一番辻褄が合う。
その場に居合わせた艶子も怪しいな。偶然居合わせたとしても、あまりにも都合が良すぎる。
仮にこの予想が正しいとして、後は動機だ。
なぜ、天宮を襲ったのか。
そして、最近流れた天宮の妙な噂も気になるな。
「……調べてみるか」
今回の件には何か裏がある。
そしてそれを解き明かさなければ後悔すると思った。
俺は部屋を出て医務室へと向かう。
「山崎」
「ん?一ちゃんやないか。どこか怪我でもしたんか?」
薬箱を点検していた山崎が笑顔で俺をみた。
近くに人がいないことを確認し、静かに襖を閉じる。
「監察方のアンタに頼みたいことがある」
俺の言葉に山崎の目つきが鋭いものへと変わった。


