私の師匠は沖田総司です【下】


となると、今度は被害者の隊士が怪しくなってくる。

被害者の隊士が天宮に何かしら手に掛けようとして、そこに蒼夜叉が出てきて返り討ちにあった。

これが一番辻褄が合う。

その場に居合わせた艶子も怪しいな。偶然居合わせたとしても、あまりにも都合が良すぎる。

仮にこの予想が正しいとして、後は動機だ。

なぜ、天宮を襲ったのか。

そして、最近流れた天宮の妙な噂も気になるな。

「……調べてみるか」

今回の件には何か裏がある。

そしてそれを解き明かさなければ後悔すると思った。

俺は部屋を出て医務室へと向かう。

「山崎」

「ん?一ちゃんやないか。どこか怪我でもしたんか?」

薬箱を点検していた山崎が笑顔で俺をみた。

近くに人がいないことを確認し、静かに襖を閉じる。

「監察方のアンタに頼みたいことがある」

俺の言葉に山崎の目つきが鋭いものへと変わった。