「遅くなりました」
「いや、いい。急に悪かった。とりあえず座ってくれ」
「はい」
部屋に入ると、重い空気は強くなった。平助も感じているらしく緊張しているようにみえる。
空いている場所に座ると、副長が静かに話し始めた。
話の内容はどれも耳を疑うようなものだった。
天宮が隊士を致命傷または死に至らしめ、屯所から逃げ出したというのだ。
「なんで……蒼蝶が……」
「信じられねえかもしれないが事実だ。それで、天宮を隊士殺しの罪で捕縛する」
捕縛という言葉に心が薄ら寒くなる。
副長からの話だけを聞けば、確かに天宮は捕縛対象になる。
だが、俺はどこか心のどこかで腑に落ちない部分があった。
会議が終わり、部屋に戻っても俺の頭の中は天宮のことでいっぱいだった。
目を閉じ、副長の言葉一つ一つを丁寧に思い出す。
天宮が手に掛けた隊士。そして近くには女中の艶子がいた。
その現場をみた副長が天宮を問い詰めたとき、天宮は分からないと言ったらしい。
「いや、いい。急に悪かった。とりあえず座ってくれ」
「はい」
部屋に入ると、重い空気は強くなった。平助も感じているらしく緊張しているようにみえる。
空いている場所に座ると、副長が静かに話し始めた。
話の内容はどれも耳を疑うようなものだった。
天宮が隊士を致命傷または死に至らしめ、屯所から逃げ出したというのだ。
「なんで……蒼蝶が……」
「信じられねえかもしれないが事実だ。それで、天宮を隊士殺しの罪で捕縛する」
捕縛という言葉に心が薄ら寒くなる。
副長からの話だけを聞けば、確かに天宮は捕縛対象になる。
だが、俺はどこか心のどこかで腑に落ちない部分があった。
会議が終わり、部屋に戻っても俺の頭の中は天宮のことでいっぱいだった。
目を閉じ、副長の言葉一つ一つを丁寧に思い出す。
天宮が手に掛けた隊士。そして近くには女中の艶子がいた。
その現場をみた副長が天宮を問い詰めたとき、天宮は分からないと言ったらしい。


