お前は誰にも渡さない


「あ、しおりんとかおりん♪」
「おはぁ〜☆」



二人の向かいに薫ちゃんと座った



「わぁ〜美味しそう♡」
「さすがだねぇ〜ふわふわ卵だ」




この二人は寮で一番料理がうまいのです。この子たちが当番の時はいつもたのしみ♡




「相変わらずのしおりんはふわふわだねぇ〜」



と、なにやらニコニコしながら雫ちゃんが私に向かって言う



「ふわふわ?髪の毛?・・・?」

「かおりんはいつもながら美しい☆」


と、早苗ちゃん。


「だから褒めても何も出ないって。てゆか、やっぱり゛かおりん゛はやめない??」


そう薫ちゃんがいうと雫ちゃんは


「えーいいじゃない、かおりん♪」

「うんうん♪距離が縮まった感じするし」



「まぁ・・いいけど」

薫ちゃんはちょっと照れくさそうにしながら朝食を食べていた。



皆、朝食を済ませ、新しいクラスへ出発☆



「薫ちゃん〜行こ〜♪」

「・・・うん」


学校へ足をすすめる


「あれ??どしたの??薫ちゃん浮かない顔してる・・・」


なにかあったのかな……??


「いや、志織さ・・敦さんのことまだ好きなの?」

あっくん…?



「ぇ・・・なんで?」

「朝名前呼んでたから」

「・・・あはは、私、名前呼んでたんだ」

「うん・・・」

「あっくん・・何してるんだろうね?あははは♪」

「志織、そろそろ・・・」

「薫ちゃん!早く行こ♪」




私は薫ちゃんの言葉を遮った。

゛そろそろ新しい恋したら?゛


きっとそう言いたかったんだと思う。


でも忘れられないんだぁ・・・
急にいなくなって、お別れの挨拶もなしに…
大好きだったのに…一緒にいようって言ったのに…約束したのに…


私の頭の中はあっくんの言葉がいつもグルグルしている。


「1時間目は何だっけ?あ、国語だ、やだなぁ〜」

そんな言葉で誤魔化すしかできない私の頭を薫ちゃんは優しくなでる。

どんな心境でいるか薫ちゃんはお見通しなのです・・・。



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