蒼空がうずくまって泣いていると、

「蒼空、大丈夫?
 ほら、一緒に滑ろうよ。」
桜柚が蒼空に手を差し伸べた。
「え…うん!!」
蒼空は桜柚と手を繋ぎ、二人で
滑り台を上っていった。

滑り台に飽きたらブランコ、
ブランコに飽きたら鬼ごっこと、
公園でずっと遊んだ。

そうしている内に、太陽が西に
傾いて来た。
「暗くなってきたよ。」
紫苑が心配そうに空を見上げる。
「そうだね、もう帰ろうよ。」
桜柚も心配そうだ。
「また、遊ぼう! バイバイ!!」
桃我が手を振りながら帰って行った。
「僕も帰らなきゃ!」「私も!」
こうして六人は、公園を去った。

誰もいない公園には、春を知らせる
風が通りすぎていた。