桜柚が小さい声で答えていると、
三人の間にボールが転がってきた。

その後から男の子が来た。
「ごめんなさい、それ僕のボール。」
謝りながら走って来たその子は、
桃我(とうが)。
優しくて頼れるしっかり者。
「どんどん増えてく…!」
純白が唖然として呟くと、

「待てー!!」
突然聞こえた声に耳をすませていると、
四人の後ろからまた男の子が
やって来る。
飛んでいるトンボを追いかけているようだ。

「どこに行くのー?!」
すると、その男の子を追いかけている
女の子も現れた。

男の子が四人の間まで来ると、
トンボは空高く飛んで行ってしまった。
「あーあ、行っちゃった…。」
と、残念がる男の子は紫苑(しおん)。
のんびりしていて、ちょっと天然。 
女の子も皆の所に着いた。

「ね、トンボ行っちゃったね。」
この子は蒼空(そら)。
寂しがりやだけど、おしゃべりが大好き。