「んー…ないなぁ。」 "あなたのバイト探し、手伝います!" と表紙に大きく書かれている本を棚に戻し、溜息をついた。 時給がよくて、毎日入れて安全なバイト。 「…もうちょっと探すか。」 杉野恭香、中学3年生。 一応受験生。 街ゆく受験生がどこの高校に行くべきかと頭を悩ませている今。 私ひとり、お金に困っていた。 ** ** **