――6年後――




「荷物はこれだけ?」

「うん。後はトラックだから。」

「そう。じゃあ、気をつけてね。」

「うん。」




美優は、家を出ることにした。

あれから6年という月日が流れ、美優は二十歳になった。


これ以上、迷惑をかけてられないと思い、高校を進学した時から家を出ることを考えていた。






その話しを、一足早く竜がお母さんとお父さんに言ってしまい、美優は竜との2人暮らしをする事になってしまった。




これじゃ、意味ないじゃない。仕送りだって、きっと2人分送ってくるはず。美優が家を出る意味がない。


それを竜に打ち明けたら、そんなもん気にすんなよ。って。

あなたは気にしなくていいけど、美優が気にするの!って感じだった。





でも、お母さんとお父さんが、竜と2人暮らしが嫌なら、家を出るのもダメって言われて、仕送りだけは断って、結局こんなふうになった。