カラダ探し〜赤い人の怪談〜

逃げるように後退して確めた階段に、上る方がない。


だったら私はどこを下りて来たって言うの!?


突然降り掛かった恐怖の連続に、心臓の鼓動が早くなり、呼吸が荒くなる。


階段を下りたはずなのに三階に戻って来るなんて、振り返らずに校門を出る事が本当に出来るのか。


恐怖に押し潰されそうになりながら、それでも私に出来るのは逃げる事しかなかった。


一階に行ってダメなら二階に!また三階に戻って来るかもしれないけど、それしか考えつかなかった。


じわじわと迫る「赤い人」に弾かれるように、再び階段に向かって走り出した私。


「赤い人」の話なんて、用事のない生徒がいつまでも残っていないようにと先生の誰かが作った、子供騙しの怪談だと思っていたのに。








これは……そんなものじゃない!








段を踏み外しそうになりながらも、何とか二階に下りた私は、どうか三階じゃありませんようにと祈りながら廊下に飛び出した。


と、同時に私の身体に走った衝撃。


「きゃっ!」誰かにぶつかり、私の目の前で人が倒れる。


「赤い人」にぶつかった!?思わず顔をそらして身構えたけれど……そこに倒れていたのは、隣のクラスの鳴戸理恵だった。







ここは……三階じゃない。






人にぶつかったのに、その安心感で私はホッと胸を撫で下ろした。