3つ星物語

「そうなれたら、いいんですけどね」
 
――え? 照れたように笑う大地の言葉に、私は弾かれた。

「そうなれたら、って……」
 
玖生(ワタシ)は思わず聞き返してしまう。

「俺の方は好いてるんですけどね、玖生の奴、色々事情があるみたいで」
 
ツキン、と私の小さな胸が反応した。
 
大地のその照れ笑いが、何故だか愛おしく感じる。
 
私、私よ。私は玖生よ。こころの中で叫んでみても、目の前には透明な壁があるようだった。
 
私は今、南生のフリをしていなければならないのだ。
 
それでも聞きたいことはまだあった。
 
この前、学校で起こった一件のこと。泣きながら紗生に詰め寄っていた、ふわふわ天然パーマの女の子。大地の彼女だって言ってたじゃないの。それなのに、どうしてそんな台詞を――。
 
言葉が喉まで出かかった。けれど慌ててそれを飲み込んだ。代わりの疑問を、南生になりすまして問いかけた。