男の子なのにゴツゴツしてなくて、やわらかな手。大きく私を包み込む。
いいなあ、南生は。無条件で彼のその手にいつでも触れることができるのだから。
私と同じ顔なのに――。
「あれ、玖生?」
突然、本当の私の名前を呼ぶ声がした。
そこですれ違ったのは、他でもない、大地だった。
目をまん丸にして、私を見ている。
――ぎくっ。私の身体に、電流が走った。
「お前、彼氏できたのか」
ちらり、と大地は伊津くんを見て、ぺこっと会釈をしてみせた。
それはこっちの台詞よ。この間あんたの彼女に絡まれたわよ。彼女、いたんじゃない。何よ、散々私に優しくしておいて……胆(はら)の中で言いたいことは山ほどあった。
「……あの、どちら様でしょうか」
私はうろたえるフリをした。私は今、玖生ではない。
すると大地はぽりぽりと頭を掻いた。
「ああそうか、えっと……南生さん?」
いいなあ、南生は。無条件で彼のその手にいつでも触れることができるのだから。
私と同じ顔なのに――。
「あれ、玖生?」
突然、本当の私の名前を呼ぶ声がした。
そこですれ違ったのは、他でもない、大地だった。
目をまん丸にして、私を見ている。
――ぎくっ。私の身体に、電流が走った。
「お前、彼氏できたのか」
ちらり、と大地は伊津くんを見て、ぺこっと会釈をしてみせた。
それはこっちの台詞よ。この間あんたの彼女に絡まれたわよ。彼女、いたんじゃない。何よ、散々私に優しくしておいて……胆(はら)の中で言いたいことは山ほどあった。
「……あの、どちら様でしょうか」
私はうろたえるフリをした。私は今、玖生ではない。
すると大地はぽりぽりと頭を掻いた。
「ああそうか、えっと……南生さん?」



