「ど、どうしましょうか、ねぇ」
だけど、今、私は南生なのだ。
スローペースに、マイペースに時間を進めなければいけない。
「ドーナツでも食べに行こうか」
「いいわねぇ」
玖生(ワタシ)は甘いものは苦手なのだ。それでも、伊津くんに合わせなきゃいけない。
南生だと知られないように、彼女に扮する。
「この間の、南生ちゃんの焼いたスコーン、とっても美味しかったよ」
「あらぁ、直哉くんのためを思って焼いたものだもの」
私の言葉に、伊津くんはにこぉ……ととろけるような笑みを向ける。
とても素敵な笑顔だった。ベビースマイルとでも言うのだろうか、無垢で人懐こい笑顔だ。女の子だったら誰でもイチコロだ。
だけど、あれ? 私の胸はうんともきゅんとも鳴らなかった。
伊津くんは私の手をそっと握った。
だけど、今、私は南生なのだ。
スローペースに、マイペースに時間を進めなければいけない。
「ドーナツでも食べに行こうか」
「いいわねぇ」
玖生(ワタシ)は甘いものは苦手なのだ。それでも、伊津くんに合わせなきゃいけない。
南生だと知られないように、彼女に扮する。
「この間の、南生ちゃんの焼いたスコーン、とっても美味しかったよ」
「あらぁ、直哉くんのためを思って焼いたものだもの」
私の言葉に、伊津くんはにこぉ……ととろけるような笑みを向ける。
とても素敵な笑顔だった。ベビースマイルとでも言うのだろうか、無垢で人懐こい笑顔だ。女の子だったら誰でもイチコロだ。
だけど、あれ? 私の胸はうんともきゅんとも鳴らなかった。
伊津くんは私の手をそっと握った。



