「紗生~」
不意にこめかみに鈍痛を覚えた。
「――!?」
下を向きながら廊下を歩いていたので、一瞬何が起こったのか解らなかったけれど、1人の女生徒が両手で握り拳をつくって私のこめかみにぐりぐりと押さえつけていた。
「見たわよ~。今日の昼休みも裏庭で、彼氏呼んでいちゃついてたでしょ。この、幸せ者~」
「痛い。痛いわ。わ、私、紗生じゃなくて南生です」
間違えられるのはこの狭い校内、よくあることだ。
私の物言いにその女生徒はぱっと両手を離した。
「あれ、人違いか。そういや紗生って3つ子だったっけ」
「姉の、南生です」
「ごめんごめん。間違えちゃった。すみません~」
彼女はショートヘアを揺らしてぺこりとお辞儀をすると、踵を返して立ち去ろうとした。
不意にこめかみに鈍痛を覚えた。
「――!?」
下を向きながら廊下を歩いていたので、一瞬何が起こったのか解らなかったけれど、1人の女生徒が両手で握り拳をつくって私のこめかみにぐりぐりと押さえつけていた。
「見たわよ~。今日の昼休みも裏庭で、彼氏呼んでいちゃついてたでしょ。この、幸せ者~」
「痛い。痛いわ。わ、私、紗生じゃなくて南生です」
間違えられるのはこの狭い校内、よくあることだ。
私の物言いにその女生徒はぱっと両手を離した。
「あれ、人違いか。そういや紗生って3つ子だったっけ」
「姉の、南生です」
「ごめんごめん。間違えちゃった。すみません~」
彼女はショートヘアを揺らしてぺこりとお辞儀をすると、踵を返して立ち去ろうとした。



