3つ星物語

昨日、散々紗生たちに話した時には出てこないフレーズだった。

「うんうん。好きな人の為に、朝は魚を焼いて、午前中は家の中を整えて、お昼は1人で適当に済ませて、午後は腕によりをかけたお料理を作って、夜にはそれを愛する人の為にご馳走するの。理想だわぁ」
 
私の理想通りの理想を実沙ちゃんは言ってくる。
 
私は深く同意する。

「私は今すぐにでもそういう生活をしたいわ」

「南生には相手がいるもんね。羨ましいわ」

「でも、全然よ。彼は結婚のけの字も出さないし」

「あー。相手はまだ同級生だもんね。相手が25歳過ぎの人なら考えてくれるかも」

「25歳と16歳じゃ、犯罪に近いかも。うふふ」

「そうね、ふふ」
 
私たちが微笑み合ったところで、朝の礼拝の始まる讃美歌が流れた。有名な曲“ナルドの壷”だ。
 
実沙ちゃんはその歌を口ずさみながら、自分の席へと戻っていった。
 
高校生が結婚を考えるのはまだ、難しいようだ。