確かに、イメージすることなく
探そうなんて確かに無理。

 でも、見たことのないそれを
どの様に見せろと言うのか?


「まさか、探し物は見たことのない
 宝物なんて!云わないよね!」



「見たことはない。

 但し、イメージは聴いた。


 それは光り輝く剣で、空間を切り裂き
 エネルギーさえ、縫い付けることさえ
 可能な摩訶不思議な力を有するもの。

 『天の叢雲(あめのむらくも)』
 
 その昔、あのヤマタノオロチを退治
 した英雄の持っていた代物で、歴代
 の天皇が受け継ぐ三種の神器の一つ
 とも云われている。」


「あれって、うしなわれたのでは?」


「一つ一つの神器でさえ、その力は
 とてつもなさすぎな力を有する。

 それが、人にこなしきれるはずが
 ない。

 その力の悪用をさけ、封印する方が
 いいと思うだろう。」

「では、神社などに隠されていると。」


「可能性は高いだろうな?」


 この人は私が今大切にしている人。
でも、この人はどう思っているのか?

 多分、私の中でもわからない。



「エーッと、ところでこの地図は
 どこなの?」


「これは四国。」


「まさか私に88ヶ所行けなんて!
 言わないよね?」


「うーむ。
 てっいうか?

 コレって、ある都市だけなんだ。」


「えっ、四国じゃないの?」


「四国のある都市だよ。
 僕らが畏れていない街。

 でも、最近の災害で
 一番被害の出ていない所。

 多分、何かを人為的に
 護っている気配がする。」