翌日、彼は遠く離れた街で地図を
片手に待ち合わせをしていた。


「エール!」

「助かる!紗理奈がこんなに早く
 来てくれると思ってなかった。」

「何言っているの?
 今にも死にそうってゆう声出し
 薄情者呼ばわりしたくせに!」

「そうだったかな?」

「どちらにしても、
 (大した内容じゃないし)
 じかんもここまでの交通で
 必要以上にかかっているから
 説明はいいからね。

 ところで、それなーに?」

「神社の場所に印をした地図。」

「神社なんて何になるの?」

「悪いが、この間みたいに手を
 かざして、気を探ってくれるか?」

「うーん、そうね。
 なにがいいかな?」

「ケーキ2つでお願い!」

「わかりました。」



 紗理奈は念入りに右手の掌を
地図の上にかざしてはなぞり、
印のある場所の上で目を閉じ、
一つ一つに気を送るように心の
目開き簡単な印を付けなおした。

 エールは紗理奈の動作を見て
慎重な時間をかける態度に今回
は意外と当たりくじかなと少し
笑みを顔に表していた。


「うーん、・・・。

 この間とくらべて簡単には姿を
 見せてくれないようです。

 幻のような場所もあるし、閉じ
 たような迷路の感じもするし。」


「数を絞る事は出来るか?」


「この(地図の)大きさはどの位
 なのかしら?

 私が直接、現地に立たなければ
 微妙な感覚が判らない。」



「こんなに見えにくいのは何かが
 あるのかな?

 探し物が・・・、見つかる?」


「どうだろう?
 探しているものは
 隠されているだろうし、

 例え見つけても
 手に入れることが
 出来るのか?」


「そろそろ教えてよ!

 私にもイメージさせて
 その方が見つけやすい
 と思うから・・・」