「翔太、怒ってるの?」
「怒ってない」
「嘘、絶対に嘘だ」
「嘘じゃない」
嘘だよ…
二人で教室に戻ると、アズたちは先に帰ったみたいで、わたしと千葉くんの荷物しか残っていなかった。
「香菜は…」
「何?」
「千葉みたいな男、どう思う?」
「千葉くん?
…んー、意味分からなく怒る翔太より良い人だと思う、かな?」
「……………」
「なぁーんて、冗談だよ。
帰ろう?」
自分でも何言ってんだか…
翔太は翔太、千葉くんは千葉くん。
比べることなんてできないんだから。
「なぁ、香菜」
「うん?」
「俺、香菜のこと好きなんだけど…」
“香菜のこと好きなんだけど”
わたしの持っていたカバンが床に落ちる音が響いた。
「…え」
「これからは、友達以上として見てくれねーか?」
えっと…
だって、翔太は友達で…
いつも笑わせてくれて…
それで、それで…

