「菜奈、もう準備できた?」
「まぁだ〜
香菜ちゃん、準備終わったの?」
ドアの向こうから、泣きそうな声が聞こえる。
同じ高校に通い、今日から二人とも高校2年生になる。
それなのに、まだ泣きそうな声を出すなんて…
「とっくに終わってるよ。
ほら、手伝ってあげるから…
ドア、開けるね?」
「うわーん、香菜ちゃーん!」
涙目の菜奈。
こういうところに、男はすぐにコロっと落ちてしまうんだろうな。
「香菜ちゃん大好き」
「はいはい、髪結ぶからじっとしててよ」
「うん」
鏡の前に座る奈菜を見て、ため息が出ちゃいそうになる。
自分の準備はてきとうなのに、妹の世話はしっかりしちゃっている。
いつもポニーテールのわたしと、毎日ヘアアレンジを変える奈菜。
そりゃ、男子も奈菜を選ぶに決まってるよね…
「香菜ちゃんも髪型変えればいいのに~
絶対かわいいよ?」
「そんなことないよ。
それに、奈菜の髪をやるとモデルみたいでやりがいがあるって言うか…」
「何言ってるの?
香菜ちゃんだって双子なんだし、かわいくなるに決まってるよ」
そう言って奈菜は頬を膨らませた。
怒っているつもりなんだろうか…?
ただかわいいだけなんだけど。

