「地区代表に選ばれたんだよ」
声がだんだん大きくなり、翔太が近付いて来るのが分かった。
「へー、“バカ”の代表?
すごいじゃん」
「なわけねーだろ。
サッカーだよ、サッカー」
「まじで?おめでとう」
「さんきゅー」
地区代表…
勝てば全国ってやつ?
確か、うちはそれぞれの学校から数人が選ばれて、代表チームをつくるとか?
去年、翔太がそんなこと言ってたっけ?
「練習先が遠いから、まぁ不便っちゃ不便なんだけど」
言葉とは裏腹に、声は嬉しそうだった。
翔太、出たいって言ってたもんね…
良かったね、おめでとう。
…なんて、それさえも言えない。
ちらっと翔太の方を見ると、嬉しそうに笑う翔太と目が合った。
「…っ!」
意識すると、翔太がいつもより何十倍もかっこよく見えた。
女の子が翔太にきゃーきゃー言うのも分かる気がした。

