「............は?」
「...............うん」
「.........悪い。もう一回言ってくんね?よく聞こえなかった」
「......いや、だから...山城と...」
「付き合うことになったと。」
「聞こえてんじゃねぇか」
亮があああああと頭をかきむしりながら唸る。
「...まじかよ...俺の女神が...こんなのに...」
「ん?こんなのとはなんだ亮君?」
「うるせぇこのクソったれが」
「え、なんで俺そんな嫌われてんの。ってか女神って。お前好きだったの?」
「......この世界で汚れてないのはあの子だけだったのに...」
うわぁ。こわ。
もう宗教化してんじゃねぇか。
「汚れてないのなんて羽鳥に山ほどいんじゃん」
「あれとは次元がちげーんだよ!!!」
「なんの次元だよ。じゃあ合コンやんねーの?」
「ヤルに決まってんだろが!」
うわぁ。即答。
「...ってかならお前は行かねぇの?」
「...んー?行くよ?」
「彼女捨てんのか!?」
「じゃあ行かない」
「それは困る!!」
ああああめんどくせぇ!!
「お前はこいよ!!日程決まったら教えっから!!」
「へいへい」
なんなんだこいつは。
「はぁ。ていうかさぁ」
「ん?」
「なんでOKだったわけ?」
「いや、知るわけないよね?」
俺だってびっくりだわ。
「結局、姫もイケメンがいいってことかね」
「そりゃそうだろうね?」
「チキショー...」
亮が舌打ちしながら窓の外を見る。
少しだけ、寂しそうな瞳で。
「っていうかさぁ...」
「なんだよ?」
「...カレカノ、なんだよな、お前ら」
「まぁ、つまりはね」
「......お前、いつも付き合ってんのとタイプ違うよな?」
「んー、まぁ、同じ女だし」
「......大丈夫か?」
「誰に言ってんだよ?」
’’うぜぇ’’。
そう言いつつも、亮は笑っていた。