あれから、神楽は電話にも出てくれず、メールにも返信が無い。


神楽へ送った薔薇も、突っ返されてしまったと亮に聞いた。

そして、『さよなら』と言われたとも。




............俺がすべて悪いことはわかっている。

隙だらけだったのも、理解している。



......あったことは、消すことができない。

なら、今度はどうしたら笑ってくれるのか。


そればかりを考えていた。


どうしたらいい?





俺には......俺はもう、神楽しかいないのに。


どうしたら信じてくれる?

もう一度、微笑んでくれる?




「てかさぁ...響」

1人頭を抱えていたら、亮に話しかけられる。


「お前が会いに行けばいいんじゃねぇの」



「...それじゃ、ダメなんだよ」

「なにが?」

「......今会いに行っても、神楽は俺を見てくれない」


それくらいわかっている。



「...じゃあどうすんだよ」

「............わからない」



「...............お前がそんな風になるとか珍しい、ってか始めてみたわ」

......そりゃそうだろ。



俺だって、ここまで必死になるのは初めてだ。



神楽の声が聞きたい。

もう一度、神楽の体温を感じたい。



...もう無理なのかも、しれないけれど。