神楽を家に送った後。

彼女が家に入る前に声をかけた。


「なぁ、神楽」

「なぁに?」


「お前、明日何してる?」


そう聞くと、神楽は首をひねって。


「うーん...たぶん、家にいると思うわよ?」

「そっか」


こてん、と反対方向に首を傾けた彼女になんでもないと返す。


「...よくわからないけど、とりあえず」

「気をつけて帰ってね」


ふわりと微笑んでそんなことを言う彼女にキスしたくなった。

でもきっと、抱きしめてしまったら離れられなくなる。


だから我慢した。

「...ん」

頭をなでるだけで。


そうすると、また可愛らしく笑うから。

こらえるのが難しかった。