「憂鬱だな…ここに来るのは…」

どうして晴れているんだろう

また、
あの〝場所〟に行かなきゃ行けないのに
薬品の、混ざり合うこの〝場所〟は
私の心の中に深く刺さる

「おはようございます。
今日も、4番でいいんですか?」

「あら、羅衣(ライ)ちゃん
おはよう!4番でいいわよ」

軽く会釈をしてから
私は4番室に向かった

「先生、私です。
如月(きさらぎ)羅衣です」

「どうぞ」

ドアを開けて入ると

また、始まるのか…と思う

「じゃあ、如月さん
眼帯、外してもらえる?」

私は静かに、左の黒の眼帯を外した








青い私の左目



生まれつきだった


右目は茶色で
左目は青

家族と違う目に
私は悩まされた



お母さんもお父さんも
お兄ちゃん達も周りの皆も
両目、同じ色の目


幼稚園にいけば
私一人だけ眼帯で

小学校でも中学でも
周りからは
冷やかしや好機の目で見られる


「如月さん、眼帯つけていいよ」

私は眼帯をつけて、
先生を見る

「どうでしたか?」

「目に異常はありません。
ですが…
今の所もあなたの目を
茶色にする手はありません」

「そうですか、
ありがとうございました」



部屋をでて、外にいく

ピロン…ピロン。

お母さんからLINEだ
母「いつもと同じでしょう?
お父さんは私が説得するから
もう病院にいくのはやめなさい?」


私は、
行きたくて病院に行ってるわけじゃない
お父さんに、言われてるからいくだけ


また、この足で歩き始める