「はぁ、南斗…会いたい」
そう素直に口から出てきた言葉。
きっとそれが私の気持ちなのだろう。
「南斗のばぁーか」
バシッと頭をその瞬間、叩かれた。
「いたっ！誰よ！？」
「人の悪口をバカでかい声で叫ぶなっつうの！！俺の印象が悪くなるだろうが」
「へ…み、南斗！？」
そこには、完全にあきれ顔で立っている南斗の姿。
南斗に触られた頭を私は、撫でつつ
「南斗に殴られた～！うわぁ、痛いよ～」
「はぁ！？おまっ、それはずりぃよ」
「あはは、嘘だよ！南斗は…」
言うか、言わまいか、少しだけ迷った。
けど、さっきひーちゃんが言っていた。
自分の行動に自信持てって。
「南斗は、かっこいいもんね！私はそう思う…よ？」
それを聞いた南斗は少しだけキョトンとして、それから大きな口を開けて笑った。
「そりゃそうだ！！俺は世界一いい男だからなっ。美優もとうとう、理解したか」
「え？そういう意味じゃ…まぁ、いっか」
どんな意味に捉えられてもいい。
素直に言えた自分を褒めようじゃないか。
本当に南斗をかっこいいと思ったことは、またいつの日か伝えられたらいいな。
