ひーちゃんと国語準備室へ行く。
「なにここ?」
「俺の教科って国語じゃん?だから、ここは俺しか入れない聖地」
「へ~、ずるい」
「だろ」
ひーちゃんって時々、生徒みたい。
聖地って(笑)
「で、どうしたんだ?新美が悩み事なんて珍しいじゃないか」
「悩み事なんて私言ったっけ?」
「時計がおかしいしか言ってないな」
「だよね?じゃあ、なんで悩み事なんて…」
私は、少し遠くを見ながら、呟く。
「じゃあ、悩み事じゃないのか?」
悩み事…。
そう言われれば、そうなのかもしれない。
「わかんない。でも、悩んでるかもしれない」
「なにで?」
言うか迷ったけど、勝手に口が動いていた。
「南斗が気になるの」
言ったあとで後悔した。
なにこれ、めっちゃ恥ずい。

