キーンコーンカーンコーン
「え?チャイム!?」
携帯を開いて、時計をみると8時。
「えぇぇ??やばい、遅刻しちゃう」
私は、なにをこんなにゆっくり歩いていたのだろうか。
遅刻なんて、するわけにいかないよっ。
私は、もうこれ以上ないくらいのダッシュをみせた。
ガラッ。
「間に合っ……た?」
バシッと教科書でひーちゃんに叩かれる。
「間に合ってないっての!」
ひーちゃんは、もう完全にあきれ顔。
「うそだぁ!絶対にセーフだね」
「バカ言え、時計を見ろ、時計を」
私は、教室の時計をみると8時10分。
あれ?おかしいなぁ。
さっき見たときは8時だったのに。
「ひーちゃん、絶対あの時計壊れてるって」
私は、携帯の時計を見ると8時10分。
「はぁ???なにこの時計!!10分過ぎんの早くない?」
「なにを一人漫才をやっているんだ」
「うぅ、ひーちゃん!聞いてよ~」
「あとで聞いてやるから、早く席についてくれ…」
「わかったよ…」
私は、ゆっくりと席に向かう。
「新美、どうしたの?」
「何回目の遅刻だよー」
「新美、ウケるんだけど」
クラスのみんなも散々に言う。
みんなして、私をバカにして!
本当に時計が早く進んだんだから!!

