「美優!!!」
南斗だった。
そこには、確かに南斗がいた。
「南斗!助けてっ」
南斗が私のほうにダッシュで向かってくる。
「あぁ?なんだ、このガキ。」
「お兄さんたち、逃げないんですか?警察きますけど?」
南斗がニコッと笑いながら言う。
遠くから、パトカーの音が微かに聞こえる。
その音がお兄さんたちに聞こえたのか
「やべぇーぞ」
「帰ろうぜ」
「あぁ」
そう言って、逃げるようにして去っていった。
「馬鹿なやつら。たかが携帯のアラームで」
「け、携帯?」
「そう、携帯でパトカーの音をダウンロードしたんだ」
南斗はスマホを手に持ちながら、悪い笑顔を浮かべる。

