体育館の窓から差し込む夕日のせいで、私の顔はいっそう赤くなった


 でも、その夕日はどこか悲しそうに見えた


  「…でもな…俺は教師っていう立場上、公けにできる事じゃない…」


  「わかってる」



   ”わかってるよ、そんな事…

    諦めようと思っても、先生の事は諦められないんだよ…”


  「辛い時や、苦しい時に側にいてやる事もできない」


  「わかってる」


   ”恵莉だって、家族だっているから大丈夫…”


  「それでもいいなら…」


  「いい」


 そう言って私は先生の胸に飛び込んだ

 悲しそうだった夕日は静かに西の空へ消えていった