3学期が始まり、私と恵莉が話している所へ千夏がやって来た



  「ねぇねぇ聞いて!私、先生の事、諦めることにしたの」


  「偉い。前向きに行かないとね。でも何で諦めたの?」



 ホッとする私を横目に、恵莉が即答した


  「それはね、見ちゃったから」


  「何を?」

 さらに恵莉が乗り出す



  「実は、先生の彼女を見ちゃったんだ」


  「それいつ!?」

 私は恵莉よりも乗り出していた
 


  「あれは…今月の3日かな。お母さんに頼まれて買い物に行く途中、先生の車に乗る女の人を見たの」


 それを聞くと、恵莉は私を見た



 私は千夏に気付かれないように頷いた