華麗なる安部里奈

「私の部屋に来て」

私はテッちゃんの手を引いて、2階の自分の部屋へと向かう。

「敦也はもう寝るのよ。さぁ、おいで」

律子さんはアッちゃんを連れて1階の自分達の部屋へと向かった。

アッちゃんは律子さんに手を引かれながら、何度もこちらを振り返り、2人で何を話すのかを気にしているようだった。




たぶん、この時、律子さんは「私自身の悪戯が原因で噴水に落ちた事をテッちゃんが庇った」というのは分かっていたのだと思う。律子さんだけでなく、私の父も、正十郎も。

誰がどう考えても、お転婆な私が何かしようとしたのは間違いないし、テッちゃんが私を噴水に落とすというような真似は今まで1度もした事がないからだ。


だから、おそらく律子さんは私がテッちゃんに謝ろうとしているのも分かったのだろう。だから、私がテッちゃんと話す時間を作ってくれたのだと思っている。