私はマリちゃんが階段を下りる姿を確認すると、すぐにマリちゃんが使った階段とは別の階段を使って1階へ小走りで向かった。



すると、ちょうど階段を下りた所でパジャマ姿のテッちゃんとアッちゃんに出くわした。

「ほらほら、2人とも。もう遅いんだから静かに行きなさい」

そう言いながら、2人を急かすようにして、テッちゃんのお母さんの律子さんもうちの両親の寝室のほうから歩いてくる。

正十郎は住み込みで働いていたため、テッちゃんのお母さんである律子さんも同じ屋敷の中で生活をしていた。



「あら、お嬢様。今日はごめんなさいね、哲也が……」

律子さんもテッちゃんのせいで私が噴水に落ちたと思っているようだったので、私はまた罪悪感にかられる。それでも、事実を話す事はできなかった。

「ううん……大丈夫」


テッちゃんもアッちゃんも私と何を話した良いか分からないのか、律子さんのほうを見て、早く部屋に戻りたいというような素振りを見せていた。