その後、その時の私は夕食を食べる気にはなれず、自分の部屋で1人泣いていたんだったと思う。それで、マリちゃんが小さなワゴンに乗せて私の分の夕食を部屋まで持ってきてくれたのを覚えている。

自分が悪い事をしたのに、テッちゃんが悪者のようにされてしまった。それに、その事を正直に話す事もできなかった。私は罪悪感にかられ、夕食があまり喉を通らなかった。



それでも、それから少しすると、今度はテッちゃんが私を庇ってくれたんだという気持ちが、私の心の中で大きくなっていた。

あれだけ私のイタズラを止めようとしてくれていたテッちゃんが、今度は私を庇ってくれた。

私はそれまでテッちゃんの事を同い年の兄弟のように思っていたのだが、その時テッちゃんの事を男らしいというか、頼りになるというか、そんな風な感情に近いものが私の心に芽生えたのだと思う。