華麗なる安部里奈

あぁ、もしかしたらこいつが猪本かな。



『猪本 流星』という近所で有名な悪ガキがいると、この前ヒロキ君が話していたのを聞いた。なんでも、自動販売機のお釣りの所を漁って歩いたり、公園で女の子のスカートをめくったり、やりたい放題しているらしい。

いつもニューヨークメトロポリタンズの帽子を被っていて、野球部のエースをしており、悪さをしても学校から咎められる事が少ないから、好き勝手しているとの話だった。



私はそういうやつが大嫌いだったので、これは良い機会だと思い、猪本と思われる男子の前に移動すると、腕を組んで仁王立ちをする。

「あんた、猪本流星?」

「あぁ、そうだよ。よく知ってるな」


「そちらこそいろいろ噂は聞いてるわよ。なによ、あんたこそ最低な人間じゃない!」

私がそういうと、猪本は眉間にシワを寄せる。