華麗なる安部里奈

私が叫びながら近づくと、高学年と思われる男子の太っているほうがこちらを睨む。体格はガッシリしていて、赤いTシャツにジーンズ、頭には黒い野球帽を被っており、髪は後だけ長く伸ばしている。

「あぁっ!? なんだよ、お前」

「そんな小さな子を泣かせて、何してんのよ!?」


「こいつがブランコの順番飛ばしたのが悪いんだよ」

太っちょの隣の眼鏡をかけた"か細い"男子が答える。こちらは白いTシャツに黒いジーンズという姿だった。



「そんな事くらいでこんな小さい子に何してんのよ。あんた達、恥ずかしくないの?」

「お前に関係ないだろ、何様だよ、お前は」


「関係なくない! この公園はみんなのものなんだから、そんな事やめなさい!」

すると、私の顔をじっと見ていた眼鏡男子のほうが私を指差して"太っちょ"のほうに言った。



「リュウセイさん、こいつ安部里奈かもしれませんよ」

「あぁ、お前が安部里奈か」

2人とも私の名前を知っているようだった。