わたしの見えた景色




資料室まで歩く際

先生はずっと話しかけてくる


「天城はいっつも全然喋らねーな」

とか

「いっつもヘッドホンしてるよな
何聞いてんだ?」

とか

「天城って変わり者だよな」


どの会話も返答に困るものばかり
だからずっと私は黙って
ただ歩いた

そんなのも御構い無しに話す
先生の声は

いまは壊れた機械音にしか聞こえない



あたしはただ都合が
いいだけなのかもしれない
こうやって聞きたくない事は
いつも機械音に変換して
本当にそう聞こえるようになったのも
きっと心を閉ざし始めてから



「おい…て天城、聞いてんのか?」