これがまたくせ者。
「優羽、霊扱いが荒いのは良くなくてよ。お肌が荒れてしまってますの、いつもより早くお片付け願いたいですわね。」
肌荒れを気にする霊がどこにいようか?
いやここにいる。
「翼~♪また呼んでくれたんだ~オイラ嬉しい~」
「やめろ!離れろ!俺にそんな趣味はないと何度言ったらわかる!俺は優羽だけだー!」
「もー照れちゃって~優羽ちゃんも可愛いけど、翼のほうが可愛いぞっ♪」
あ…明森華のウインクで翼が…
ってそれはどうでもいい。
「みんな行くよ!」
【クウ…ニンゲン…クイタイ…ニンゲン…】
今日の鬼はいつもより小さい。
「早く帰ることは叶いそうですわね。」
「じゃあ、水ちゃんいい?」
「えぇ。」
「オイラと翼もOK~」
翼が頷く。
『鬼よ、人の瞳に映らんその姿、在るべき場所へ還れ!』
うめき声を上げて鬼がヒュルヒュルと消えていく。
「時止め、解!」
時間が動き出す。

