浅葱の雫

せめて訳だけでも知っていたならよかったのに。


そしたら彼を助けられるかも知れないのに。




何もできない自分がもどかしい。


優しい言葉も掛けてあげられない。


なんて言っていいのかわからない。


ただ、気休め程度にしかならないと思うけど私にできることはこうやって側に居ることだけ。


あやすように其の背を撫で続けていた。


雨は強くなるばかり。


雷が光る度、雷鳴が轟く度に怯えるように宗ちゃんは肩を震わせた。


そろそろ嶋崎先生たちが帰ってくる頃だろうか。


雨か夕暮れか、辺りは真っ暗になっていた。


曇っている所為でいつも見える星は見当たらない。


明かりといえば此の部屋に灯るものだけ。

其れが更に宗ちゃんを不安にする。


何度大丈夫だよ、と背を撫でても髪を撫でても手を握ってもずっと震えたまま。




華奢な彼は少しでも力を強めれば壊れてしまいそうで。


私は柔らかく抱き寄せた。


こんなことしかできない。