俺はキライだけど。





ガラッ


「東条!」



教室には…誰も、いなかった



あるのは俺の鞄だけ


時間はもう5時半を過ぎていた


「さすがに…いるわけねぇか……」



俺は机に座り頭を抱え込む


「東条…」


頭に浮かぶのは4時間も玄関で待っている東条の姿


4時間も……



「ごめん…東条……好き、だよ」



《まだ校内に残っている生徒は速やかに下校するように。


これから先生達が見回りに行く。
見つけたらプレゼントをあげよう。

もらいたくなかったらさっさと帰るんだな。
じゃ、さよーなら》


不意に流れた放送


プレゼント…もらいたくねぇから帰っか……



俺は重い体を持ちあげ下駄箱へ向かった



下駄箱へ行くには嫌でも通らなきゃいけない玄関


東条は、ここで……!



東条がどれだけ寂しい思いをしたか、俺には痛いほどわかった



「東条、ごめん…」


俺はもう一度つぶやいて家へ向かった