俺はキライだけど。




「それじゃ、曲はどうする?


振り付けは?」



「それなら飛我がやれるよ」

「っおい、将也!」


なんで高野くん?



「飛我、こう見えてダンスのプロに近いんだ。
ダンススクールの先生が休みの時に代わりに教えたりしてた。

もちろん振り付けもばっちしだ!」



「おい将也勝手にベラベラと…」



高野くん…すごい…!



「そうなのか!

それじゃ、引き受けてくれるか?高野」



みんなから期待の眼差しで見つめられしどろもどろになる高野くん


「あ、いや、俺は、その…」


「高野くん、お願いっ」



どぎまぎきている高野くんが少し可愛く見えて思わずそんなことを言ってしまった




「……俺、やるよ」


「へっ?」


あまりにも突然の承諾にみんなが唖然とする


「俺、振り付けやるから


曲は任せる」



そう言うと高野くんはそっぽを向いた


「高野!ありがとな!


それじゃ曲きめよーぜ!」



「「「「「おー!」」」」


高野くんが振り付けをOKしたことでクラスが盛り上がった


私は高野くんにしか聞こえない声で


「高野くん、ありがとっ!」


お礼を言った


「…別に」



相変わらずそっぽを向いたままだけど、少し耳が赤く染まって見えるのは、気のせい?