俺はキライだけど。





「…そっか

で、これが俺の全て。

俺は父さんと母さんが離婚してから女が信じられなくなったんだ


だから……

お前に冷たくしちまった」


「うん」


冷たくされたのは正直辛かったけど、そんな理由があったのなら仕方のないことだったんだって思えるよ



「まじで悪りぃと思ってる


ごめんな?」


「だいじょぶだよ

私の方こそ、高野くんのこと知らないで付きまとってごめんね?」


「おう…」


「って、もうこんな時間!

私、帰らなきゃ!」


ふと時計を見たら8時半だった


「送ってくよ」


「だいじょぶだよっ」


「でも…」



「じゃあね!」


私はバタンっと高野くんの部屋を飛び出して玄関から外へ出た



懐かしい…


初めて高野くんに会った所に近いな…



私はあの日、高野くんに連れて行ってもらった道を思い出しながら家に帰った