私は声がした方をふりかえる
「私急ぐんで……って、えぇ!?
な、なんで高野くんが!?
もう帰ったのかと思ってた……」
平静を装ってるけど、心臓はバクバクとうるさい
だって高野くんから話しかけられたのは、これが初めてなんだもん…
「お前、傘は?」
「あ、それが忘れちゃって…」
「はぁ…ほんとお前ってバカだよな」
うっ…
悔しいけど当たってる
「私、走って帰るから、じゃーね!」
傘を忘れたことが恥ずかしくて私は急いでその場を去ろうとした
「まてよ…」
「へっ?」
なんで…?
そーゆーことされるとほんとに心臓が…
顔が熱くなっているのが痛いほどわかる
高野くんはなにがしたいの?
「これ…使えよ」
そう言って乱暴に渡されたのは黒い折りたたみ傘だった


